総IgE10万超えからの回復~rifuruのアトピー戦記

総アレルギー値(IgE)10万超えの地獄を味わった、りふるのアトピーブログです。

アトピー性皮膚炎の脱ステ脱保湿 肯定派と否定派

これしか道はないと決め付けないで

脱ステ脱保湿、治った方の記事や、奮闘中の方の記事をよく見かけます。

そして同じ道を行こうと決意していらっしゃる方もいるかと思います。それはあまりに険しく危険な道のりで絶対に治る保証もありません。他に道はないのか、参考にしていただければ幸いです。

 

アトピー治療はみんな同じように治るわけではない

私はかつて脱ステ、脱保湿信者でした。その仲間も治療の中でたくさん見てきました。

励ましあい、食事療法の意見交換などもしてきました。しかし、私はそれでは治りませんでした。IGEが10万越えまで増え、TARCは2万を超え、叫ばない日はないほどに地獄を見てきました。でも今はステロイドを使ってません。食事も食べたいものを食べて、お菓子だって毎日食べてます。運動も全然してません。でも肌はつるつるです。

どの治療も目指す先はみんな一緒

まず最初に言えることは、みんなステロイド剤を使いたくないということ。最終的に0を目指しているのは、どの治療法を選んだ方達も一緒だということです。そして、治る道は一つではないということです。

完全脱ステ信者だった私は、最後に辿り着いた名医の一言によって目が覚めました。

「宗派は違えど目指す先は一緒だからね(ステロイド0)」

ゾンビ状態で希望もなくやっと立っている状態の私に違う道を照らしてくれたのです。

「絶対に治るから大丈夫だよ」と断言してくれた先生です。

どんな状態になってもステロイドを拒否していた私の約2年半におよぶ脱ステが終わりを迎えました。

食事を気にして、がんばって運動して、モクタール治療や漢方治療、湯治、色々試して、それでも悪くなる一方で生きる気力さえ失っていたあの頃の私みたいな方がいるのなら、もう一度考えて欲しいのです。

目標は何ですか?最終的にステロイド0で肌が保たれることですよね。今の治療法辛くないですか?

必死な時ほど治った事例に目が行きやすい

アトピー完治」や「脱ステ」などのワードで検索すると、治った!というワードに目が行き易いのは助けを求めて検索している方の心理からすると普通のことかと思います。脱ステに限った話ではありませんが、みなが求めてる記事なので当然検索ワードでも上に出てきてしまいます。なので、脱ステで何年経っても治らない方の記事を見る機会も少なく、また、記事を読んだとしても、やり方が悪いんじゃないか?まだ治る過程の最中ではないか?と都合のいい解釈をしてしまいがちです。

脱ステで症状が落ち着くまでには、ステロイドの服用期間の倍かかるという噂も出回っており、がんばって辛い中続けている方もいらっしゃいます。

そんなことは科学的にありえないのですが・・・

服用期間の倍というと何年も経たないと結果がわからない方も出てきてしまうということになりますよね。記事を信じて治ると希望を持ち続けるにはあまりにも酷です。

皮膚科の通常治療で治った方は普通、記事を書かない

当然といえば当然です。普通に治療を受けて治ったのですから、書くはずもないです。

それが何件目の病院なのかはわからないですが、もしかしたら他の病院に行ってたらその方は治ってないかもしれないですし、たまたま名医に当たっただけかもしれません。ですが当人が知る由もなく、身近にこういった名医がいたとしても記事になる可能性は低いでしょう。そういった隠れた名医が何人もいるのではないかと思っています。

記事に書くのは病院に行っても治らない方や、特殊な治療をしている方の話ばかりになってしまいます。ステロイドで治らなかったのでどうしてもステロイドの批判記事ばかりになりがちです。 

脱ステ脱保湿肯定派の考え方

ステロイドホルモンを使えば使うほど、自分の本来の力でステロイドホルモンを作り出す力が弱まってしまうことから、いつまでたってもステロイド剤に頼らなくてはいけなくなる。ずっとステロイド剤を使えば副作用が怖い。

脱ステしてステロイド剤を使わないようにすれば、自己調整機能が回復し、自分でステロイドホルモンを作ることができるようになって、薬に頼らなくても治るよね。という考え方です。脱ステロイドをしたことによりアトピー性皮膚炎が治ったとの情報が拡散したことにより、自然治療が注目されました。

それと同様に脱保湿という考え方が生まれました。本来の保湿機能が衰えてしまっていて、いつまでも保湿しているから自分で潤うことができなくなったのでは?と・・・

脱保湿することで本来の機能の回復を試みてるというわけです。

また、脱ステによって今まで無理やり薬で抑えていた症状を全部出し切る(デトックス)という考え方により、保湿はその妨げになるという考えから、脱保湿推奨派が生まれました。

脱ステ脱保湿否定派の考え方

アトピーとは体質のことであり、アレルギー物質に反応しやすい。その為、ステロイド剤の使用を急に止めることによるリバウンドは肌がボロボロになり、新たにIGEが増えアレルギーマーチが起こりかねない。アナフィラキーを起こしたり、感染症による命のリスクもあることから、危険性が高く注意を呼びかけている。事実、脱ステから緊急入院する方も多い。

またアトピー性皮膚炎以外でもステロイドが投与される病気も多数あり、内服薬を一生飲み続けないといけない患者さんもいる中、皮膚に塗り薬を塗ることによる副作用はまれであり、きちんと使用すれば安全性が高いとの考え方。

脱保湿は肌バリアが低いアトピー体質にとって、例えるなら、紫外線の強いオーストラリアで素肌でいるようなもの。アトピー肌にとって保湿はアレルギー物質から守る盾でもあるので、とても大事という考え方。

誰かが言ったことが拡散されてしまっただけで、保湿してても保湿機能が衰えることはないので安心していいです。世の中の女性は毎日化粧水や乳液をしているかと思います。みんな保湿機能が衰えてることになってしまいます。

脱保湿で痒みが治まる理由

通常脱ステとセットで行うことが多い脱保湿ですが、痒みが和らぐ理由と保湿すると痒くなる理由について説明します。

痒みの原因がどこにあるかというのは人によって違いますが、たいていの脱ステ実行者さんは脱保湿すると体はパリパリ乾燥して痛いけど、痒みが楽になるかと思います。

その理由としては雑菌の繁殖によるものが考えられます。脱ステ中の方は肌がボロボロになり、シャワーを浴びるのもやっとのことと思います。保湿をしないと自分も辛いですが、雑菌にとっても砂漠状態の肌は辛い状態になります。傷口で増えやすい常在菌のカビや黄色ブドウ球菌もいます。

保湿力の高いクリームは雑菌にとってもありがたい存在なのです。

保湿すると雑菌が増え、脳から取り除くように痒みとして命令が出されます。保湿されてやわらかくなった肌を掻くと深く傷ついてしまう。脱保湿の肌の方が深く傷つくことなく早く治ると言われている理由の一つでもあります。

また、クリーム自体が刺激になっている可能性もあります。

保湿で痒みが治まる理由

逆に保湿によって痒みが治まる理由を説明します。大きくは、アレルゲンからの保護になるかと思います。ハウスダストやダニなど傷ついて肌バリアの低下している状態では守ることができません。直接肌に空気が触れる刺激からの保護の役目もあります。

保湿による雑菌の繁殖を防ぐにはよく洗って雑菌を減らすことが大事です。

今まで病院で言われていた「お湯だけで洗いましょう」や「部分的に石鹸を使いましょう」は、今は古い情報です。黄色ブドウ球菌など傷口で増殖しやすく、痒みの原因になりますが、お湯だけでは落ちません。

また、私同様に人の体の常在菌のカビに反応してしまうアレルギーをもっている方もきっといらっしゃるかと思います。お湯だけで洗うことを続け、手(よく洗う)と頭(シャンプー)以外悪化してしまいました。

全身をしっかり低刺激の石鹸で洗うようにしてください。

そしてきれいになった肌に保湿をしましょう。

カビにアレルギーがある方や、しっかりと洗いたい方に現在使っているものを載せておきます。最近は皮膚科に置いてることが多く、デリケートゾーンに使えるほど低刺激でボロボロの肌でも沁みなかったです。

コラージュフルフル泡石鹸 持田ヘルスケア

 カビや臭いの原因菌を取り除いてくれる。今では臭いが取れるからと旦那の方が使うので・・安いボディソープの方を使って欲しいのですが・・。

脱ステするか迷っている方へ 

私は0歳からずっとステロイドを使用していて治ったことがありませんでした。

脱ステ脱保湿を2年半したのち、最終的にステロイドによって治しました。アナフィラキーを起こした時もステロイド点滴を拒否するような、今考えると異常な状態でした。今までの地獄のような努力が無駄になると思ったのです。

でも今はもう使ってません。保湿もしますが、なくても乾燥するわけでもありません。アレルゲンへの予防です。肌はたまに掻きますが傷つかず丈夫です。ステロイド治療を再度開始した直後は壁にぶつけただけで血がでてくるくらい弱かった肌です。ステロイドを使っていてもゴールはあります。治ったから使わなくなりました。そしてちゃんと強い肌になります。脱ステ続けていたら今もきっと治ってなかったと思います。

脱ステ時に上がってしまったIGEは簡単には下がりません。毎日のように朝蕁麻疹として現れます。何に反応してるかもわかりません。数分で治まり我慢できるほどの痒さなのでそんなに気にしてはいませんが、無い方が良いですからね。

私は数え切れないほどの病院を周りました。色んな治療もして医者を信用できなくなり諦めてしまった結果が脱ステでした。危険をともなう治療を選択する前に知っておいて欲しかったのです。

まとめ

脱ステ脱保湿で治った方もたくさんいらっしゃいますし、治らなかった方、奮闘中(数年目)の方もたくさんいらっしゃいます。

治っても治らなくても共通して地獄を味わってきています。決して治らなかった方のやり方が悪いわけでも、努力が足りないわけでもないと思うのです。ただ治療法が合わなかったのだと思います。万人に合う治療法はないと思います。

例えば、アレルギーが原因であれば原因を取り除かなければ脱ステしても辛いだけで一生終わりません。カビアレルギーなら毎日しっかり石鹸を使って洗うことは必須になります。脱ステで治った方はステロイドが合わなかったのかもしれません。

それぞれ発症原因は違います。なにより大事なのは原因を一緒に探してくれる医師の存在ではないかと思います。

それでも、もし脱ステしてみようという方がいたら、自己流でやるのではなく、先に脱ステ医師として有名な先生の本を読んでみてください。レビューも参考になるかと思います。

患者に学んだ成人型アトピー治療-脱ステロイド・脱保湿療法

次回以降

病院で試した治療方合う方がいるかもしれないので紹介します。

次回もよろしくお願いします。