アレルギーからアトピー性皮膚炎になる?
そもそもアトピーとは何かを順を追って説明していきます
アトピー性皮膚炎で悩んでいるとその過程で色々情報を集めて、ただの湿疹がステロイドのせいでアトピーになったんじゃないか?ステロイドがいけないんじゃないか?保湿がいけないんじゃないか?と知識もそこそこで脱ステを始めてしまう方が大勢います。なのでまずは基本に帰ってアトピー性皮膚炎の知識から、一緒に見直して行きましょう。
アトピーで悩んでいる方のご家族や友人の方にも参考になるのではないかと思います。
- アトピーとアトピー性皮膚炎
- アトピーとアレルギーの関係
- 総IGE(アレルギーの値)の増え方を家に例えて説明
- アトピーはなぜ痒いのか我慢できない理由
- アレルギーがアレルギーを呼ぶ恐怖の連鎖-アレルギーマーチ
- アレルギー検査の種類について
- 血液検査の信憑性について
- まとめ
- 次回以降
アトピーとアトピー性皮膚炎
アトピーとは特定の物質をアレルゲンとして反応しやすく、過敏症を起こしやすい体質のことを言います。
アトピー性皮膚炎は、アレルギー性の体質、皮膚のバリア機能の低下などの原因により、かゆみを伴う湿疹が全身または部分的に発生する病気です。また湿疹は左右対称に出ることが多いです。
アトピーとアレルギーの関係
アトピーとアレルギーには深い関係があります。小さい頃は食べ物とのアレルギー関係が多く、食べ物アレルギーの症状の一つ、皮膚湿疹が出ることがよくあります。それは消化器官がまだ未熟なことによっておこります。(卵、牛乳、小麦粉が大半を占めます)食べ物アレルギーに関しては大人になるにつれ消化器官が発達し、耐性化するといわれています。それに伴って皮膚炎も治ることが多いです。
ただし、幼児期の後半以降に現れたアレルギーは治りにくく、また、耐性化しにくいと言われているものもあります(ピーナッツ、果物、魚介類、そばなど)
アトピー患者の約半数がゴマにアレルギーを持っているそうです。
総IGE(アレルギーの値)の増え方を家に例えて説明
人の体はとても優秀で、常に悪者がいないかパトロールしているわけです。
通常、人の口は玄関になります。お客さんです。当然スルーですね。
しかし、目や、鼻、ましてや皮膚から来たらどうでしょう?窓から侵入してきた人をお客さんとは思いませんよね?当然パトロール隊が動くわけです。(花粉やダニ、ハウスダストなど)ましてや湿疹のある方は侵入し放題です。パトロール隊に次から次へと不審者を発見され、指名手配犯(IGE特定の抗原)が増えていくのです。
花粉を食べて花粉アレルギーを治そうという治療は玄関から何度も入れることでお客さんだよと体に教える作業です。ダニもそのうち食べる治療が始まるとか・・・(舌下免疫療法)
赤ちゃんはハイハイして色んなところを触ります。そして手を口に入れるのも本能的に家にいる基本的な細菌なんかは別に悪者じゃないよ。と体に教え込ませる作業ではないかと思います。汚すぎはよくないですが、この教え込ませる作業をする時期にきれいにし過ぎるとアレルギー体質になりやすいのはこの為です。
湿疹のある赤ちゃんは皮膚から侵入してしまわないように、クリームやベビーパウダーなどで保護してあげることがいかに大事かわかっていただけたでしょうか?
IGEが増えすぎると何に反応しているのかさえわからなくなってしまいます(私です10万超え)防げる時期に対策をしましょう。
アトピーはなぜ痒いのか我慢できない理由
アトピーになったことのない人は必ず一度は思うこと、掻かなければ治るんじゃないの?の疑問です。それが難しい理由について説明します。
まず体に侵入者(アレルギー物質)が入ったらそれを除去しようとします。アトピー性皮膚炎と呼ばれている人は侵入者を皮膚から除去しようとした結果です。何もしなくても、プツプツと湿疹やふくらみ、または皮膚内で一見みえなくても炎症を起こします。
それを指で引っ掻いてもらうことによって侵入者を外に出しているのです。
厄介なことに脳による命令で、それを達成すると気持ちいいという感情の報酬つきです。虫刺されによる痒みはアトピー重傷者からしたら何も痒くない。比較にならないほど強力な命令をだされます。(人により違いはあります)
鼻炎の方は鼻水によって侵入者を外へ出そうとしています。鼻炎の方に鼻水出さなければ治るよね?というのが無りなことはわかりますよね?呼吸器系のアレルギーの方に咳きしなければ治るよ、とも言いませんよね?
アトピー性皮膚炎の方への痒みの命令は鼻水と同様にほぼ強制なのです。
そして鼻水止めの薬が効かない方がいるように、痒み止めの薬が効かない方もいるのです。
鼻水と違って最終的に自分で掻いてしまうことから、自己嫌悪に陥る方もたくさんいらっしゃいます。周りから掻かないように言われてることも自己嫌悪の原因ではないかと思います。我慢すればするほど命令は強力になり、掻くまで続きます。
アトピー性皮膚炎は体が辛いだけでなく、見た目に自信を持てなくなったり、周りに理解されなかったりと、精神的にも辛い病気です。周りの理解とサポートがとても大事になってきます。
アレルギーがアレルギーを呼ぶ恐怖の連鎖-アレルギーマーチ
アレルギーマーチとはアレルギーが次から次へと出てきてしまうことをいいます。最初は食べ物アレルギーによる湿疹から起こるかもしれません。ストレスによるちょっとした湿疹がきっかけかもしれません。先ほど話しましたように、皮膚から入ってきてしまうとIGE抗体ができる原因になってしまいます。特にアトピーの方はあちこちに掻き傷があり、アレルギー物質が皮膚から入りやすい状態です(アレルギーマーチが起こりやすい状態)
皮膚から入ったアレルゲンが皮膚だけに症状が現れるとは限りません。呼吸器系や粘膜、消火器系でおこるかもしれないのです。
アトピー性皮膚炎→花粉症・鼻炎→喘息などよくあることです。
ひどくなると原因不明のアナフィラキーを起こしかねない怖い状態です。
アレルギー検査の種類について
アレルギー検査はアレルギー科や皮膚科に相談しましょう。
病院によってできない検査もありますので、一度問い合わせてみてください。
1.血液検査
一番手軽な検査になります。調べたいアレルギーを自由に選べる13項目セットや、最初から39項目決まってるセットなど、保険適用で5000円ほどで受けることができます。調べたい項目がハッキリしている場合は、5項目セットなど2000円程度で受けられるものもあります。
39項目の検査内容が知りたい方はこちらに詳しく載っています。
総IGEはすでにできている抗体を調べるので、炎症が治まってもすぐに減るものではありません。その為アトピーの方はTARCという現在体内で炎症がどのくらいあるかをリアルタイムに測る検査があり、治療の成果を数値で確認することもできます。
次回の診察時に結果を聞くことが多いかと思います。
ちなみに10万超えていた時の私のTARCと総IGEです↓
2.皮膚テスト
抗体(IgE)の有無、皮膚の敏感さなど、実際にプリック(乱刺)テストまたはスクラッチ(掻皮)テストで、皮膚に出血しない程度に傷をつけてアレルゲンエキスを滴下し、反応を見ます。血が出たり痛みが伴ったりすることは少ないです。医師が認めれば保険適用となり、実費は4000円程度です。
3.経口負荷試験
食物アレルギーの診断を確定するときや、安全に摂取できる可能量を決める目的などで実施されます。実際にアレルゲンを少しずつ摂取し、反応を確認します。実際に摂取する危険な検査なので、専門施設で行いましょう。
血液検査の信憑性について
食事など口から摂取するものと、ダニやハウスダストやペットの毛など皮膚で直接触れるものとで違うかと思います。
食事の特異的IgEは、卵と牛乳、ピーナッツや小麦の一部タンパク質などを除いて、信頼性はあまり高くないかと思われます。実際に私も食べ物で陽性になっていても反応しないものもたくさんあります。特異的IgEの検査を元に食事制限してしまうと食べられないものがたくさん出てきてしまったりするので、これを元に食事制限はおすすめしません。あくまで参考のうちの一つで実際に食べた時に観察してみましょう。その日の体調によってもかわるかもしれません。
しかし、ダニ、ハウスダスト、花粉、カビ、ペットなど、皮膚に直接触れるものに対しての特異的IgEにはある程度信頼性があるかと思います。
まとめ
アトピーとアレルギーの関係性はわかっていただけたでしょうか?アトピー性皮膚炎の方はアレルギーになりやすい体質であると同時に、アレル物質が体内に入ってくると皮膚に湿疹として現れることが多いです。また、傷ついた皮膚からはアレルギーを増やす原因物質が入りやすい状態にあります。(総IGEが増えやすい)悪循環に陥りやすいので、治りにくくなってしまいます。
また、傷ついた肌にパックとかすると(きゅうりパックとかも)アレルギーになってしまった事例もあるので、気をつけましょう。
きゅうりパック流行ったことがあり、きゅうりアレルギーは女性が9割だそうです。
次回以降
脱保湿について書きたいと思います。
なぜ効果のある人ない人がいるのか参考にしていただければ幸いです。
次回もよろしくお願いします。