総IgE10万超えからの回復~rifuruのアトピー戦記

総アレルギー値(IgE)10万超えの地獄を味わった、りふるのアトピーブログです。

アトピー性皮膚炎10年ぶりの新薬!デュピルマブは希望の光となるのか

こんにちは!

りふると申します。

 

アトピー性皮膚炎で悩んでいる方、

脱ステ中の方に

有力な情報をお伝えしていけたらと思います。

 

2018年4月より、

一般向けに診療が開始された新薬について

詳しくわかりやすく

説明していきたいと思います。

 

アトピー性皮膚炎10年ぶりの新薬デュピルマブ(デュピクセント)とは

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2018年1月に

製造販売承認を受け、

同4月より

一般向けにも診療が開始された。

 

商品名:デュピクセント(注射剤)

により治療します。

 

デュピルマブは、

アトピー性皮膚炎では世界で初めて

承認された抗体医薬です。

 

有効成分は化学合成したものではなく、

たんぱく質です。

(チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生)

デュピルマブは今までの薬と全く違う

これまで

アトピー性皮膚炎

の治療に使われてきた薬剤は、

体の免疫システムを広く抑制します。

 

ディピルマブは

炎症にかかわる

免疫システムの阻害をします。

 

アトピーでは、

皮膚から体内に侵入した

アレルギー物質に免疫システムが過剰に反応し、

Th2細胞という

免疫細胞が過剰に増えてしまいます。

 

この増えた

Th2細胞が出すタンパク質(IL-4、IL-13)が

皮膚細胞などの受容体に結合することで

皮膚バリアの機能低下、

炎症の促進、

かゆみ誘発など

を引き起こすことが分かっています。

 

新薬ディピルマブは、

この皮膚細胞などの

受容体と結合するのを

ピンポイントで阻害することができ、

炎症や痒みを軽減できるのです。

 

今までとは全く違うアプローチ方法になります。

新薬デュピルマブの効果

臨床試験では、

 

従来の外用剤とプラセボ(偽薬)

を用いた群の改善度従来

23.2%に対し、

 

外用剤とデュピルマブを併用した群は

68.9%の改善が見られました。

 

この結果のとおり、

臨床試験でデュピルマブを併用した群では、

皮膚の炎症やかゆみなどが大幅に改善しました。

 

中等度から重度の方は、

炎症による痒みで皮膚を掻いてしまい、

皮膚のバリア機能が低下、

また炎症の原因になるという悪循環起きています。

 

デュピルマブは

この悪循環を断ち切りることにもなりそうです。

デュピルマブ(デュピクセント)の処方条件

標準治療から

デュピルマブ治療に切り替えるのではなく、

デュピルマブによる治療を

プラスしていきます。

1.年齢、期間による制限

現在は、

15歳以上の患者で標準治療を

6カ月間行っても十分な治療効果が得られない場合

※年齢による制限は現在臨床試験中で、結果次第で変わる可能性があります。

 2.重症度による制限

アトピー性皮膚炎が中等度以上、

強い炎症のある湿疹が広範囲であること。

3.妊婦、産婦、授乳婦等でないこと

サルによる治験では、

胎盤を通過して

胎児に移行することが

確認されています。

 

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、

治療上の有益性が危険性を上回る

と判断される場合にのみ投与可。

 

また、

妊娠中の投与に関する安全性は不明。

4.高齢者への投与

高齢者では

生理機能(免疫機能等)

が低下していることがあるので、

慎重に投与(医師の判断)

デュピルマブ(デュピクセント)の使用に関しての注意点とは

初回に600mgを皮下投与し、

その後は

1回300mgを

2週間隔で皮下投与する。

 

①注射部位反応が報告されているので、

投与毎に注射部位を変える。
②デュピルマブによる治療は、

通常投与開始から

16週までには効果を得られるため、

16週までに治療効果を得られない場合は、

投与中止を考慮する。

デュピルマブ(デュピクセント)による副作用について

アトピー性皮膚炎患者を対象に

デュピクセント300mgを

2週に1回投与された403例中、

副作用は123例(30.5%)

 

主な副作用 

注射部位反応29例(7.2%)、

頭痛12例(3.0%)、

アレルギー性結膜炎7例(1.7%)

1.重大な副作用
重篤な過敏症(頻度不明)

血圧低下、呼吸困難、意識消失、

眩暈、嘔気、嘔吐、そう痒感、潮紅等
2.その他の副作用
感染症及び寄生虫症:

(5%未満)結膜炎、細菌性結膜炎、

口腔ヘルペス、単純ヘルペス
眼障害:

(5%未満)アレルギー性結膜炎、眼瞼炎、

眼乾燥、(頻度不明)眼そう痒症。
血液及びリンパ系障害:

(5%未満)好酸球増加症。
注射部位:(5%以上)注射部位反応、

(5%未満)注射部位紅斑。
神経系障害:

(5%未満)頭痛。
その他:

(5%未満)発熱、(頻度不明)

血清病、血清病様反応。

デュピルマブ(デュピクセント)による医療費の問題

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一番の問題は

ここにあるかと思います。

 

デュピクセント皮下注300mg

シリンジ1本の薬価は

8万1640円。

 

初回は2本打つので、

3割自己負担の場合でも

治療費は約5万円。

 

2回目以降は

2週ごとに1本打つので

約2万5000円。

 

年間で60万円ほどの自己負担となります。

 

※高額療養費制度が適用されると、自己負担額はこれより減ります

また、

今のところ2週間に一度、

医療機関へ行かないと行けないため、

身体的にも負担がかかってしまいます。

 

こちらは今後自己注射

が認められる可能性があります。

※今までのケースから、発売後1年ほどで

自己注射が認められるかもしれないです。

デュピルマブ(デュピクセント)は対処療法

患者によっては、

悪循環を断ち切ることにより、

根本的な治療になる

可能性はありますが、

基本的には対処療法になります。

 

Th2細胞が出すタンパク質(IL-4、IL-13)と

皮膚細胞などの

受容体と結合するのを阻害することが

デュピクセントの効果なので、

 

何かしらの原因により、

IL-4、IL-13がたくさん放出される限り、

デュピクセントを

使っていかなくてはならないことになります。

 

基本的には

免疫システムが過剰に反応する

(Th2細胞が増える)

原因のアレルギー物質を

つきとめないと根治は難しいと思われます。

 

また、上記のことから、

良くなったときに

投与の中止の見極めが難しいとのことで、

ガイドラインを整備中みたいです。

まとめ

人によっては

悪循環を断ち切ることによって

皮膚バリアが回復し、

今まで反応していた

アレルギー物質が反応しなくなること

もあるかと思います。

 

その場合、

根治することも可能かもしれません。

 

基本的には対処療法ですが、

今までの治療でよくならなかった

重症度アトピー性皮膚炎の患者さん

にとって薬の選択肢が増える

ことはいいことだと思います。

 

重症アトピー性皮膚炎患者の

自殺願望の有症率

19.6%

だそうなので、

 

治療費は高額にはなりますが、

元気な状態には代えられないものです。

 

アトピー性皮膚炎の方が

一人でも早くよくなって欲しいと

心から願っております。